Tea Time ちょっとひと息いれよう
私が職場でLANケーブルを取り出したとき、思いがけない質問を受けました。「この線、なんですか?」と。正直、驚きを隠せませんでした。私にとっては馴染み深いLANケーブルが、若い世代には未知の存在になりつつあるとは思いもしませんでした。
仕事では長年、LANケーブルを使ってきました。かつては職場でインターネットに接続するための必需品であり、オフィスの至るところにこのケーブルが張り巡らされていました。接続が不安定なときに、直接ケーブルを繋ぎ直すのは常套手段。今でも有線の安定感を信頼しています。
しかし、時代は変わり、Wi-Fiの普及が進み、私たちのオフィス環境は劇的に変化しました。ノートPCやスマートデバイスはケーブルから解放され、どこでも自由に作業できる環境が整いました。新しい世代にとっては、インターネット接続イコールWi-Fi。LANケーブルなんて必要ない、いや、見たこともないという人もいるのです。
この出来事は、単にテクノロジーの進化を示しているだけでなく、私たちが当たり前だと思っていることが、次の世代にとっては全くの未知のものになり得るということを痛感させられる瞬間でした。ケーブルのことを尋ねた若い社員たちは、決してインターネットに疎いわけではありません。むしろ、彼らにとっては「線がない世界」が普通であり、ケーブルの存在自体が過去の遺物のように感じられるのでしょう。
このエピソードは、私自身が時代の流れを改めて感じるきっかけとなりました。もちろん、新しいテクノロジーがもたらす便利さは素晴らしいものです。しかし、同時に、私たちが培ってきた技術や知識も無駄ではなく、時には古い技術が今なお重要な役割を果たしていることも忘れてはいけません。
「この線、なんですか?」と問われたとき、私は一瞬戸惑いましたが、すぐに笑って答えました。「これが、インターネットの先駆者たちの道具なんだよ」と。
未来が無線なら、過去は有線でした。それぞれの時代には、それにふさわしい技術があり、私たちはその移り変わりの中で生きているのです。
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