Tea Time ちょっとひと息いれよう
大規模なプロジェクトや複数フェーズにまたがる案件では、設計書の修正・更新作業が頻繁に発生します。特に、異なるフェーズ間やドキュメント間で共通の情報や内容が存在する場合、それを一貫して管理することが難題となることがあります。ここで重要な役割を果たすのが、「○○を参照」という記述のテクニックです。
「○○を参照」の有効性
- 一貫性の確保 設計書の記述を異なる箇所に重複させると、修正が発生した場合に全ての関連箇所を手作業で修正する必要が生じます。この作業は時間がかかるだけでなく、見逃しや誤りのリスクを増大させます。「○○を参照」と記述することで、関連箇所が1つのソースに集約され、修正が必要な際にも該当箇所のみを修正すればよくなります。これにより、ドキュメントの一貫性が保たれ、保守の負担が大幅に軽減されます。
- 効率的なメンテナンス 複雑なシステム設計では、多くの部分が相互に関連しています。このような状況で、設計書のすべての箇所に詳細を再度記載することは非効率です。「○○を参照」とすることで、ドキュメント内の冗長な記述を減らし、修正時の作業量も最小限に抑えられます。保守担当者にとっても、関連情報を簡単に見つけられるため、メンテナンスが格段に容易になります。
- 後任者への配慮 設計書は多くの場合、初めてプロジェクトに関わる後任者が読むものです。複数箇所に分散した記述は混乱の元となりますが、参照先を明確に示すことで、後任者も容易に全体像を理解できるようになります。システム全体の設計意図や流れを追いやすくなるため、学習コストも低減します。
「○○を参照」の欠点とその克服
一方で、「○○を参照」を多用しすぎると、設計書が煩雑になりすぎる場合もあります。参照が複数階層にわたると、読者が設計書の中を行ったり来たりする手間が増え、逆に理解が困難になるリスクがあります。これを避けるためには、参照の使用を計画的に行い、情報の階層を深くしすぎないように意識することが重要です。
また、重要な部分や詳細な説明が必要な箇所では、むやみに参照を使わず、適切な範囲で詳細な記述をすることも必要です。バランスを取ることで、「○○を参照」の効果を最大限に活かすことができます。
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