
Tea Time ちょっとひと息いれよう
最近、新人から届くメールが、とても丁寧です。
結論が先にあり、文章も簡潔。
誤字脱字もなく、敬語も完璧です。
「ご多忙のところ恐縮ですが、ご確認のほどよろしくお願いいたします」
入社したばかりなのに、ずいぶん文章が上手だなと思ったら、
「AIに直してもらいました」
なるほど。便利な時代です。
しかし、何人かの文章を読んでいるうちに、少し不思議なことに気づきます。
みんな、同じように上手なのです。
よく話す新人も、慎重な新人も、まだ理解できていない新人も、完成した文章だけを見ると区別がつきません。
以前は、文章のぎこちなさから、
「ここを理解していないな」
「この判断に迷っているな」
「ずいぶん自信を持っているな」
と、その人の状態が見えました。
ところがAIがきれいに直すと、誤字だけでなく、迷いや理解不足まで隠してしまいます。
上手な文章を書くことと、内容を理解していることは同じではありません。
だから先輩は、文章だけで判断せず、こう聞く必要がありそうです。
「一番伝えたかったことは何?」
「どこをAIに直してもらった?」
「この表現を、自分の言葉で説明できる?」
AIに文章を整えてもらうのは悪いことではありません。
むしろ、どんどん使えばよいと思います。
ただし、AIに直してもらう前の自分の考えまで消してはいけない。
文章は整った。
でも、書いた人が見えなくなった。
そんなことにならないように、これからは完成した文章の向こう側にいる人を見る力が、先輩にも求められるのだと思います。



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